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生成AIはこう使う! MJSのITコーディネータが解説するセミナーサマリ

生成AIをビジネスに活用する動きはますます活発化しています。
以前の記事でご紹介したように、MJSでは「ITコーディネータ(以下、ITC)」資格を有する社員を講師として、会計事務所と中小企業を対象に、生成AIの活用を業務に落とし込むセミナーを今年9月まで全国各地で開催しました。

そこで今回の記事では、本セミナーにご参加またはオンラインでのご視聴ができなかった方々に向け、東京で開催されたセミナーのサマリをお届けします。

生成AIの種類、実務での生成AI採用例など、基本知識の整理や具体的に使える方法も学べますので、特に生成AIをまだ使ったことがない方など、ぜひご覧ください。


75%の人が仕事に使用し始めている生成AI

東京でのセミナーで講師を務めたのは、MJSのBP・SI推進支社に所属する長野 有沙さん。軽快なトークに定評があります。
それでは以下、セミナーのサマリです。 

長野 有沙さん

MJSのITCは、資格取得を通じて習熟したプロセスにもとづき、中小企業や小規模事業者の経営を効率化し、競争力を高めるためのパートナーとして、お客様の規模に応じたIT化/DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する伴走支援サービスを提供しております。本日はよろしくお願い致します。

まずはこのデータをご覧ください。

「Work Trend index Report」という調査結果によると、回答者の4人中3人がAIを仕事で使用しており、そのうち46%が過去6カ月以内に使用を開始したといいます。
仕事で生成AI等を使用することがかなり一般的になってきたことを表していると言えます。

AI、人工知能の主な歴史は4段階に分けることができ、現在は「ジェネレーティブAI」というフェーズに入っています。

AI(人工知能)の主な歴史

では、あらためて「生成AI」とはどのようなものか見ていきましょう。

生成AIとは?

「生成AI」と聞くと、「テキスト生成」をイメージされる方もいるかもしれませんが、現在ではいろいろな機能を持つアプリケーションがリリースされています。
各カテゴリーでの代表的なアプリケーションを図に記載しました。 

日々新しいサービスが誕生する生成AI

さらに、実務への生成AIの採用も加速しています。
対話型のFAQサービスや法務(リーガル)チェック、医療分野で電子カルテに生成AIを組み合わせるなど、実務の生産性向上に役立ちそうな採用例も多くあります。

実務での生成AI採用例

人にしかできないことと生成AIに任せることを区分けして整備することで、例えば同じ人員の数でも対応できる業務の量や幅が違ってきます。

生成AIは日本の課題である生産性向上にも欠かせない

総務省の公開資料によると、超高齢社会の日本では、人口の減少とともに生産年齢人口も急速に減っていくと予測されています。

また、日本生産性本部の公開資料によると、OECD加盟37カ国の国民1人当たりのGDP比較では21位と、日本は労働生産性の低さが目立ちます。

さらに、IMD「世界デジタル競争力ランキング2022」によれば、63カ国中29位と先進的ではないことが分かります。

そして、行政のデジタル化でも他国に後れをとっています。国連がまとめた世界各国・地域の電子政府の発展度合いのランキングでは、10位以下で推移しています。

このような状況から、日本は官も民もDXを急ぐ必要性があるのです。
AIの活用はそのDXを進める上で欠かせないものになってきます。

MJS ITC直伝! 仕事で役立つ生成AIの具体的活用方法

生成AIブームの火付け役といえば、皆様もご存じの「ChatGPT」です。
米国のOpenAI社が開発したチャット形式で自然な言葉での対話ができる、テキスト生成AIのサービスです。2022年11月にサービスを開始しました。

現在、MicrosoftはOpenAIと独占的クラウドプロバイダーを契約し、このテキスト生成AIを自社サービスとしても提供しています。
その名を「Microsoft Bing Copilot(コパイロット)」といいます。

「Copilot」とは、「副操縦士」という意味です。
メインパイロットは人であり、Microsoft Bing Copilotは副操縦士としてあらゆるビジネスをサポートするという想いなのです。
そのサポートを受けて、意思決定はメインパイロットである人がするというメッセージが込められています。

生成AIにやってもらいたいことを自然言語(自然な言葉遣い)で入力することを「プロンプト」といいます。

インターネット検索ではキーワードを入力し、ヒットした各サイトを閲覧して欲しい情報にたどり着く形になります。
それが生成AIですと、例えば「山手線の各駅名とそれぞれの所在地をエクセルで一覧にしてほしい」とプロンプトを書くと、その通りに回答してくれます。
他にも、新紙幣発行に伴い券売機を新しくする必要が出てきて、そのための補助金はあるかを調べたい場合、この文言をそのまま入力すると、生成AIが関連情報とともに回答してくれます。

このプロンプトを上手に使うことではかどる業務としては、次のものが挙げられます。

プロンプトではかどる業務

メールの文面や社外文書の作成などはインターネット検索でもできますが、この場合はまず適切なフォーマットがないかを調べ、あったらそれを参考に今回用の文章をご自身で作成することになります。

これが生成AIだと、何の文書か、誰向けか、伝えたい内容は、などをプロンプトで指定すれば、今回用の文章のたたき台を生成AIが作成してくれます。

例えば経理の方であれば、勤怠システムをきちんと打刻してくれない従業員に向けて、「きちんと打刻をした方がよい」ことを伝えるための文章を考えてもらうのはいかがでしょうか。私が友人とランチに行った時に話すような感覚でプロンプトを入力します。

「あなたは企業の経理担当者です。
勤怠打刻をしてくれない従業員に打刻するべき理由と打刻した方にメリットがあることを含めて、説得するメールを作成してください。
その従業員は50歳の女性で、業務にはしっかり尽力されている。
これまで紙のタイムカードを押していたが、ICカードに変えたところ打刻してくれなくなった。
口頭で伝えたところ『面倒くさい』と言われた。」

これを打ち込むだけで、生成AIがメールの文面案をすぐに作成してくれます。
冒頭には、「まず初めに、日々の業務にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。」といった気遣いの一言まで!

その文面案をそのまま使えるとは限りませんが、ゼロベースで書くのと手直しすれば済むのでは所要時間はかなり違ってきます。

ではこんな場合はどうでしょう。
あなたが企業の採用担当者だとします。

従業員を新しく採用しようとなった時に、採用ページに自社の事業内容や魅力などを載せてターゲットに訴求しなければなりません。
うまく伝わる文章を書くのは意外と難しくないでしょうか。
そういった場合にも生成AIを活用できます。

会社の採用ページに載せるPR文章を生成AIに作ってもらうのです。
プロンプトは先ほどの要領で入力すれば体裁に応じた文面案を提案してくれます。

アイデア出しは、プライベートの旅行のプランニングから経営計画書のたたき台作成などまで幅広く活用方法があります。
ご自身の考えにはない意外なアイデアをもらえることもあります。

他にも、商品の紹介文やキャッチコピーの作成など、プロンプトではかどる業務はいろいろとあります。
現在、Bing CopilotやChatGPTでは次のようなことは今できませんが、他の専門的な生成AIを使用すれば実現されるようになるでしょう。
生成AIのこれからに期待ですね。

これから期待したいプロンプト

このように、ますます便利になる生成AIですが、会社や組織として利用する場合には社内ルールの整備が必要です。
一般社団法人 日本ディープラーニング協会のホームページでは、生成AIの利用ガイドラインのフォーマットを公開しています。もし策定される場合は参考にするといいと思います。

最後に、生成AIに関する3名の方のお言葉を紹介して、本セミナーを終了したいと思います。

「責任あるAIの原則のポリシーで運用しています。弊社の製品サービスは安心してご利用いただけます」(MJS DAY2024より)

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員
コーポレートソリューション事業部クラウド事業開発本部
三野 達也 様

「生成AIで本業に割く時間を創り、管理会計や経営に活かしていくために生成AIを使いこなす能力も高めていく必要があります」(MJS DAY2024より)

早稲田大学
教授
目時 壮浩 様

「生成AIは触れることが大事。仕事以外のことでも触れる習慣が大事」(MJS DAY2024より)

杉山会計事務所
税理士・行政書士
杉山 靖彦 様

最後までお読みいただきありがとうございました。

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